車を売るお話し 第2弾
前にRX-7(2002年式 FD3S イノセントブルー)を売却した時のことを書きました。
今回はそれよりもさかのぼること1年前のお話しになります。
BMW購入の背景
2007年式 BMW325i (E91) ツーリング Mスポーツ ルマンブルーです。
街中でこれとまったく同じグレード、色の車両を見かけたことは1度きりしかありませんでした。
興味ない方からすればどれも同じに見えるかと思いますが、車種(形式)、色、排気量、グレード、オプションの有無により微妙に違いが出ます。
当時、RX-7(FD3S)に乗っていたのですがプライベート、仕事含めてRX-7では不都合なことが多くなってきたこともあって増車することにしました。
セカンドカーというとブルジョワの道楽のようですが
単に趣味にのめり込んでる廃人なだけでした。
車の性能、乗る楽しみも含めてRX-7に満足していたので、それよりも遅い車にはまったく興味が無く、荷物運び用のセカンドカーなんかなんでもいいと思っていました。
仕事や買い物でいろいろ積み込むことが目的だったのでセダンはパス。
ハイエースのようなワンボックスは大きすぎてコインパーキングや狭い路地が大変だからパス。
ミニバンはフォルムが趣味じゃないのでパス。
SUVやクロカンの4WD車は良いけど車高が高くて重い荷物の積み下ろしが大変なのでパス。
消去法でツーリングワゴンに決めました。
当時、ツーリングワゴンの代名詞といえばレガシーやボルボでした。
まぁその辺ならいいんじゃない?と思ってたところに
「ランエボワゴンがあったな!」と思いつきます。
そこからはワゴンのくせにめちゃ速いランサーエボリューション ワゴンの中古車を探す日々。
調べてみるとどうやらランエボワゴンは何年か置きにしか作られていない限定モデルのようなものであることがわかります。
そして、状態の良い個体を探すのも結構大変なことだと気が付きます。
「後ろから見ると普通のランサー(バン)に見えるから間違われて煽られる」
という悲しい話しも出てきます。
そんなことやってるうちになんとなくBMWのツーリングワゴンがカッコよく見えてきて…
最初はなんでもいいって言ってたのに話しがぜんぜん違うね!
というわけでセカンドカーとなったBMWでした。
2500cc、直列6気筒のエンジンは静かでスムーズに走りましたが、RX-7に乗っていた自分にとってはただの遅くてゆらゆら揺れる車でした。
注意:RX-7に乗っている人の感性の方がおかしいだけなので気にしないでください。
乗り始めると荷物いっぱい載るしオートマは楽だしで、
あっさりファーストーカーに昇格。
そして潰れるまで乗り続けようと決めていました。
ところが…はずれの個体だったのか外車特有のアレなのか…
いろいろ壊れ始めます。
ATのマニュアルモードが効かなくなったところまではメーカー保証で直してもらったからまだ良かったのですが、
その後、運転席側オートドアロックモーター故障でモーター交換しました。
(ついでに助手席側も交換しました)
エンジン警告灯が灯ってO2センサーも交換です。
ここまではまだ大して気にしてなかったのですが、2016年初春
ボンネットの隙間からもくもくと白煙がががががっ!!!
エンジンオイル漏れはこの型のBMWには定番の故障なのですが、調べても原因がわからないとのこと。
怪しいのはここだよな?ということでエンジンガスケットを交換したのですが直りません。
そうしてプロがたどり着いた答え(予想)は、普通はありえないけど…
エンジンヘッドカバーが歪んでるとしか考えられない
でした。
そんなことあるんかーい!
何年も掛かってヘッドカバーが歪んで隙間ができるなんてあるの?!
と思いましたが、他に手が無いようなのでたまたま日本に1個だけ在庫があったというヘッドカバー交換に踏み切りました。
すると、
直った。
よかったね!
ってなります?
いや、ならない。
直ったんですけどね。確かに。
もうなにも信用できない車になってしまった!
出先で壊れるかもしれないと思ったら乗るの怖いですよね。
元々エンジンオイルを異様に消費する車両でした。
数か月置きにエンジンオイル警告灯が灯るんです。
その都度オイルを1リットルほど足してました。
ディーラーに相談してもオイルが漏れてる形跡も無い、オイルは消費するものだから…と言うばかりです。
なんてこったい。
最初から原因(欠陥)あったんじゃないのかい?
俺様のロータリーエンジンのRX-7(魔改造車)だってオイル警告灯が点いたことないのにどう考えてもおかしいだろ
ロータリーパイロットなめんなよ?
と思いましたがどうにもなりません。
やっぱりハズレだったようですね。
外車の洗礼と思って達観の境地へ昇華するしかありません。
乗り潰れるまで乗ろうと思ってた車が思いのほか早めに潰れたわけです。
というわけで、春に車検通さなければよかったね!という後悔と共に2016年夏、売却を決断。
売却決定からの流れ
9年落ち、走行距離約9万キロの外車に果たして値段がつくのか?!
さて、どうやって売りましょうか。いや、処分しましょうか?
気分はそんな感じでした。
ディーラー系、チェーン展開系の中古車屋さんで世間話し的に下取り価格を聞くと
チェーン展開店では5万円
ディーラー系中古車店では15万円と苦笑いと共に言われました(笑)
私も高値で売れるなんて思ってませんよ、ええ。
廃車代取られるだけでしょ?
え?15万円って言った?それくれるの?ウソでしょ?
どうしましょう?
15万円で売っちゃいましょうか?
どうせ売るんだしやれることがあればやってみるか
その時に思いついたのが一括査定です。
複数の買取店舗に同時見積りを申し込めるサイトはネット上の広告などで見かけていたので存在自体は知っていましたが、何をどうすればいいのやらさっぱりです。
一括査定は初めての経験なので見切り発車でした。
申込み直前にネット検索して情報を得ようと思ったのですが、具体的なやりとりなどは分からず仕舞いです。
9年落ち、9万キロだけど
欲しい店があれば来てくれるだろう
15万円より高値が付いたらラッキー
軽い気持ちで車検証を見ながら必要事項を記入して
「申込み」をクリック
携帯が鳴る!
体感としては「申込み」をクリックした人差し指を離した瞬間に携帯が鳴りました。
いや、マジでそんな感じです。
最初の問い合わせで話してる間中も着信し続けます。
軽くパニックです。
申込み前に決めておくべきこと
・一斉査定の日時
・売却車両の引き渡し日
「申込み」クリックの前に以上2点を決めておいてください。
査定の日時をあとで変更するのは各社への連絡が面倒なことになるので、
確実な日を決めておきます。
車が見やすいように明るい時間帯がいいですね。
屋根の無い場所で査定をする場合はできれば雨は避けたいところです。
余裕があるなら天気予報もチェック。
そして実際に車を引き渡す日時も決めておきます。
鍵や必要書類のこともありますから当然引き渡しにも立ち会わなければなりません。
査定と引き渡しの日時を決めておく。
そして現時点での総走行距離を調べて、車検証とメモ、携帯電話を手元に置いたら申込みクリックです。
申し込み後の段取り
申し込んだ直後から着信しまくる可能性があります。
電話を受けたら相手の電話番号と社名、担当者名をメモしておきます。
お店側は一刻も早く単独でアポを取って査定したいと言ってきます。
競合なんかしたくないのです。
そんな相手の都合は知ったことではないから全無視します。
「XX月XX日のXX時に各社の担当の方に来ていただいて、合同査定後の一括見積りで最高値のお店に売りたいと思います。」
と伝えます。
すると向こうは「今日、今からお時間ありませんか」とかいろいろ言ってきますが、拒否しましょう。
「その日時以外は時間が取れないから無理」
「一斉見積り以外はしない」
確固たる意志で応じてください。
単独での査定を許したら相手(プロ)の思うつぼです。
キャンペーン中だとかノルマ達成まであと少しだからとか決算だから今なら高く買い取れるとかいろいろ言ってきて買い取りを成立させようとします。
向こうもプロで商売ですからそんなことは当然ですね。
こっちが乗らなければいいだけです。
希望日時を伝えるとオペレーターは実際に査定に赴く担当者(査定士)のスケジュール確認をします。
(大手の場合は電話を掛けてくるのはアポイントメント専用のオペレーターの場合がほとんどです)
スケジュール調整中の保留音が鳴る中、他のお店から着信しまくりですが動じないでください。
相手は事情がわかっているので、買う気のあるお店はあとで絶対に掛け直してきます。
相手の社名、担当者名だけでなく電話番号も控えておかないと、履歴を見ても同時刻帯に大量の履歴が残っているのでどれがどこの番号だかわからなくなります。
というわけなので電話番号も控えておきましょう。
会話の中で必ず確認されるのが「売却時期」です。
一番いいのは「査定当日にでも持っていってもらって構いません」ということになりますが、「XX月XX日に持っていってもらって構わない」というように具体的な日時が言えることが重要です。
お店側としては本当に売る気があるのかが大事なポイントになります。
冷やかしは困るのです。
・車を売ることは決定している。
・引き渡し日時も決まっている。
お店にとって聞きたいのはこの言葉なのです。
「査定当日に持って行ってもらって構わないからそのために必要な書類を教えてくれ」と言うのもありです。
売却には実印、印鑑証明、納税証明書、場合によっては住民票なんかも必要になります。
「次の車は購入済みで、納車日がXX日だからその前に持っていって欲しい」
なんていうのは買取店にとっては最高の安心材料でしょう。
くれぐれもウソなどはつかないように。
取引は信用が第一です。
さて、担当者のスケジュールを確認し終わったところでアポイントメント完了…しかし
担当者のスケジュールが空いていれば問題ないのですが、別件とスケジュールが被ると「その日は行けない」ということになるかもしれません。
エリア担当が全て出払ってると来たくても来られないのは当然です。
その場合はあきらめるか、先ほどは完全否定しましたが合同査定の前に来てもらう手もあります。
ただし、後日 合同査定があるということで見積金額は預からせてもらうということ。
合同査定時の金額より上だったら売却するということを了承してもらいます。
合同査定の結果が出るまでは売らないということを約束させます。
それでもよければ事前査定を取り付けます。
「今から時間ないか」とかいう話しはオペレーターとの電話が終わった後、実際に査定に来る担当者からの個別連絡ですることになるでしょう。
担当者も無駄足は踏みたくないので自分で直接顧客と話しをして状況を確認したいのです。
「申込み」をクリックした瞬間にアポイントメント作業が続くので申込みも時間に余裕のある時にしましょう。
1~2時間は欲しいです。
夜遅い時間だと担当者が捕まらなくて連絡がスムーズにいかないので、できるだけ日中に申込み手続きをした方がいいと思います。
すべての業者とアポイントメントが済んだらあとは査定当日を待つだけです。
一括査定当日に向けて
査定の前は最後の洗車をしてきれいにしておきます。
不用品は車から降ろして引き取り時と同じ状態にしておくのが理想です。
いつでも持って行ってもらっていいですよ。
という姿勢が大事です。
きれいにしておいて大事に乗っていたと思わせて損はありません。
さぁ、査定当日です!
緊張する必要はありません。
あなたにとっては人生にそう何度も訪れることのない大きなイベントですが、お店の方にとっては日常茶飯事のお仕事です。
写真は1年後のRX-7査定時のものです。
担当者の方が到着したら名刺をもらって査定開始です。
ありのままを包み隠さず見てもらいましょう!
査定中は車の来歴など聞かれます。
聞かれたことにはウソ無く正直に答えましょう。
ところで、査定中にひとつ確認しておくことがあります。
車両引き渡し後に返金を求めることはないか?です。
車を引き取った後、
車両に不具合があった場合は差額の返金を要求する場合がある
という業者がいました。
あなたはいったい何のために来ているの?なんのための査定なんだい?と思わずにはいられません。
そんなこと許したら、わざと高い見積り出して買い取って、その後返金要求すればいいだけってことじゃないですか。
そういう業者は信用できないので即刻お引き取り願いましょう。
査定は意外と時間が掛かります。
大抵の場合、現車確認した担当者が車の状態を会社に伝えます。
そこから社内で買い取り金額を算出して折返し担当者に金額を伝えるのです。
査定開始から折返しの連絡を経てすべての業者の査定金額が出そろうまで2時間は掛かったと思います。
売却金額決定方法
売却価格の決定方法は2種類考えられます。
・オークション形式
・一発入札形式
です。
オークション形式は、その場を仕切って徐々に金額を上げていって一番高い値段を付けたお店の勝ちってやつです。
時間掛かるしめんどくさいです。
一発入札形式がオススメです。
オークション形式より高値が期待できると思います。
やり方はカンタンです。
最初に預かった名刺を一旦お返しして、裏に査定金額を記入してもらうのです。
全員が金額を書き終わったところで名刺を集めてみんなの目の前でひっくり返して一番金額の高い人の勝ち!
と、いうわけで今回は一発入札形式としました。
ルールとして
・千円単位での入札、同じ金額の場合はジャンケン。
・査定額発表後の上乗せは認めないこと。
・こちらとしては他に売る相手もいないので、事前見積りの15万円以上なら一番高値を付けたお店に必ず売る!と宣言しました。
結果発表
さて、入札の結果は…
61万1千円でした!
予想外の高値です。
中古車屋の店頭で苦笑いと共に半ば廃車扱いされてた車ですよ?!
一括査定申し込んでよかった!
ちなみに最低価格はこの半額以下でした。
それでも以前店頭で聞いた値段より上ですが…
結果、最高と最低で30万円以上の差がありました。
というか今回の最高値は2位以下を引き離してぶっちぎりの1位でした。
あまりにも想定外の高値が付いたということで他のお店の方に「お客さん、今すぐハンコ押した方がいいですよ!」と言われました(笑)
オークション形式だったら2位の値段のちょい上で終わっていたところでした。
これが一発入札方式の良いとこです。
1店舗だけ飛び抜けて高値だった理由は?
なぜそれほどまでに高値を付けられたのか?
その方はお店の中でもかなりの地位を確立されたベテランで、仕入れ値を独断で決める権限を持っているみたいでした。
自分ならこの車をこの値段で仕入れても利益を乗せて売れる客がいることを確信しているわけです。
そういう確信を持って狙い撃ちで査定に来てました。
絶対に競り落として商売(利益)にしてみせるという気概です。
査定中の会話もやけに落ち着いて何かありそうな感じだったのですが、入札が終わって合点がいきました。
負ける気なんかサラサラなかったのです。かっこいい。
(本当に利益が出る値段で売れたのかはわかりません)
高値が付く傾向の車とは?
具体的にこの車両に値段を付けた理由は、希少性だそうです。
・BMWのツーリングワゴンはセダンに比べて球数が少ないこと。
・6気筒モデルのMスポーツバージョンであること。
・青色が珍しい(美しい)こと。
だそうです。
色に関しては人によって評価がわかれると思いますが、
これが欲しいと思う人がいればいいのです。
そういった半ばカルト的な人気がある車だと認定されたわけです(笑)
査定に来られた方々に、なぜこのような高齢、長距離走行の車にわざわざ査定に出向いて来られたのかを聞いたところ、皆一様に「希少性が高い」そして「これを欲しがる人が絶対にいる」という答えでした。
心のどこかで少しでも良い査定結果が出ることを期待していなかったわけではありませんが、期待以上の結果が出て非常に満足です。
適当にその辺の店に売らなくてよかった!
ちなみに最高値を付けたお店は全国にチェーン展開している有名店でした。
最低価格のお店も名前を聞いたことのあるチェーン店でした。
しかし、その価格差は店舗の取扱い車種の違いでした。
高値を付けたのは外車を多く取り扱っている店舗でした。
外車の取扱の少ないお店では客層が違うのでどうしても手が出しづらくなります。
売ることだけでなく、整備や保証の問題もあるからです。
取引きを終えて
さて、今回来ていただいたすべてのお店を1件ずつ巡って査定してもらったとしてこの金額を引き出せたでしょうか?
確信を持って言えます
ぜったいに無理!
今回のような一斉見積り査定の場合、競合他社を目の前に獲物を狩るならば、自らの最高値を提示するしかないのです。
こんなに売り手有利なことはありません。
人気があればあるほど買取店としては欲しい車になります。
個性豊かな車にも高値が付くことがわかりました。
そして、何らかの特徴のある車は地元の中古車屋さんに売るより全国チェーンのお店の方が下取り価格が高くなるかもしれません。
全国展開してる中古車店は買い取った車を一番高く売れる地域に持って行って売ることができるからです。
南国で4WD車を買い取って需要のある雪国に持って行ってより高く売ったり、雪国でオープンカーを買い取って南へ持って行って売るということができるからです。
一括査定は基本的にはどのサイトから申し込んでも構わないと思います。
申込みサイトが違っても登録されているお店は同じだからです。
中古車店が多い都心に住んでいる方がお店が多い分、競争があって有利と言えるかもしれません。
今回も事前の電話打合せで何社ぐらいの競合になるかをよく聞かれました。
「御社を入れて合計○社です」と言っても多くのお店に来ていただけたのはありがたかったです。
また、入札に敗れたお店の方にも少しは楽しんでいただけたようでした。
ライバル店がいくらの値を付けるかを知る貴重な機会だからです。
今回は1位のお店があまりにもぶっちぎりだったのでみなさんややあきれていましたが(笑)
しっかりとすべての入札結果をメモして帰られました。
この時、まだ売りに出していなかったRX-7がBMWの隣に並んでいるのを見て「売るなら絶対に声を掛けてください」と皆さんに念を押されたりしました(笑)
そして、その言葉通り今回の査定の結果が次のRX-7一括査定物語へと続くのでした。
どんな車であろうと見積り依頼を出すのは無料なので、あきらめず申し込んでみてください。
自分の評価とプロの評価は違うということもよくわかりました。
自己評価は危険です。
一括査定の前にディーラー系の中古車屋で買い取り価格の見積りを取ることを推奨します。
なぜなら、
ディーラー系中古車店は一括査定に参加していないからです。
なので事前にディーラー系の中古車取扱店で見積りを取るべきです。
タイミングとしては一括査定申込みの直前です。
そこで出た金額が基準になると思います。
それ以上高ければ一括査定で売ればいいですし、こちらが具体的な金額をイメージできていることでその後の売却交渉もしやすいと思います。
あなたの愛車が少しでも良い値段で売れますよう参考になれば幸いです。